単価の正解ってなんだろう?

5月9日。今日は展示イベントでの、もう一つのお楽しみでもあった撮影会。せっかく本屋さんでやる撮影会だったら、「本と一緒に写るのはどうやろか?」という、メリーゴーランドさんからの提案だった。二つ返事で、「それいい!」と言ったのが一年前になる。予約は少し時間がかかったものの、嬉しいことに満席となった。そして当日である今日、来てくれたお客さんには、なんだかとっても喜んでもらえた気がする。本と写ることなんて滅多にないし、実際、その発想というか、本と写真を撮るなんてこと自体、普通は思い付かない。本屋さんとしては自然な発想かもしれないけど、今までありそうで無かったなぁと、メリーさんにはつい頭が下がる。

記念撮影は、イベントのコンテンツとしてこれまで何度か行っているけど、毎度、単価設定でけっこう頭を悩ませたりしている。今回もフライヤー校正のぎりぎりのタイミングまで考えた。でも、初めからある程度自分の中で答えは出ていて、それは〝イベントとして気持ち悪く感じない価格か?〟みたいな、至って抽象的な裏付けである。小さな町の子どもの本屋さんで、単価1万円を越えるフライヤーの打ち出しというは、なんだか気が引けてしまうし、そこまで大掛かりな撮影セットを組む訳でもない。あくまで、いつもの店内の変わらない風景の中で撮るもの。なので、数字が前のめりする印象は、少しでも与えたくないのである。あとは、その方がスタッフさんも接客で勧めやすい。とてもシンプルな事なのだけど、色々と日々の仕事に追われたり忙しくなってくると、重要な判断が、なにも裏付け無しで進行してしまったりして、結果的に落とし穴へ落ちてしまうケースは結構多い。こういった組み立てをする時は、なるべく何度も何度も、一歩下がって引いてを繰り返し、全体を見つめ直す。

イベントではなく、普段からの記念撮影という仕事の単価設定は、周りでも悩む人は実際に多い。もちろん、高めに頂く事に越した事はないのだけど、やっぱりプライスレスなものでもあるので、安かったらいい、高ければいい。という正解はどこにも無い。SNSが普及しきっている今、撮影する人は星の数ほどいて、一回で五万円で撮る人もいれば、千円で撮る人だっている。僕はどちらも、その価格に〝きちんと自分を納得させる裏付け〟があって、結果目の前の人が喜んでくれたら、それでいいと思っている。百円のお寿司があれば、一貫千円するお寿司だってある。どちらも、お客さんに喜んでもらう。という本質の部分だけいえば、両者大きな変わりはない。

僕の場合は、五年、十年先も活動が続けられて、家族三人を養えること。その裏付けを盛り込もうと思うと、決して安売りはできない。という単価設定になる。二児のパパ、頑張らないといけない。


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