三重県いなべ市の小さな町で暮らすご家族。お伺いした際、元気な二人の息子さんが迎え入れてくれた。神田さんのお家や暮らしのことは友人から聞いていて、いちどお邪魔したかったのだ。伺えることになってとても嬉しかった。
こだわって建てたお家のルーツを聞くと、ご主人の愛車であるルノー〝キャトル〟の存在があった。中学生の頃に、近所の書店で見つけた車の本に載っていたのが最初の出会い。家作りで、まずその愛車キャトルを入れる車庫が欲しかったという。今のキャトルが15年目で、これまで2台を乗り継いだ。通算でいうと26年という年月になる。何度も何度も修理を繰り返し、時にはお子さんとドライブした出先で止まってしまうこともあった。維持費もかかるし不便なんだけど「もう自分の身体の一部のような存在」だとご主人は言っている。息子二人には、物を長く大切にし、必要最低限な暮らしの豊かさを伝えられたら。とそんな想いがあったようだ。
今回キャトルは撮影の為に外へ停めてもらっていたけど、普段はいつも車庫にある。いつかその車庫でお店が出来たら…と語られていた。何のお店かは詳しく聞かなかったけど、夢を語るご主人の目は、きっと初めてキャトルを書店で見つけた時くらいに輝いていたと思う。